鎌倉・九条の会とは

鎌倉・九条の会 発足を呼びかけます

鎌倉市民のみなさま
 
  九条を標的に、日本国憲法を「改正」しようとする動きが、すでに、政治日程にのぼるほど身近にせまってきました。戦後六十年、現憲法のもとに、この国は、一人の戦死者も出していません。そこで、九条に手をつけようという動きに、いいしれぬ不安を覚える市民も多いと存じます。戦争経験者は、再びあの時代に近づいているという不安、戦後、「平和」しか知らずに育ったものは、子どもたちがこの先、生きる未来に不安を。
 
  昨年六月十日、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の九氏により、「九条の会」が結成されました。
  その結成アピールは、「アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々、明らかにしています。何より武力の行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません」「二十世紀の教訓をふまえ、二十一世紀の進路が問われているいま、改めて憲法九条を外交の基本にすることの大切さがはっきりしてきています」とのべたあと、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改悪』のくわだてを阻むため、一人ひとりができるあらゆる努力を、いますぐ始めること」を訴えています。
 
  鎌倉市は、戦後、全国にさきがけていち早く平和都市宣言をした自治体です。そして、平和都市としての平和市民憲章をもっています。
  戦争を拒否し、平和をもとめるというこのあたりまえのことばを、ことさら声高に叫ばなければならない時代になってしまいました。
  私たちは、「鎌倉・九条の会」の発足を呼びかけます。
  平和都市の名にふさわしく、憲法九条を守るためあらゆる努力を、この町のすみずみにまきおこしていくことを、鎌倉市民のみなさまに訴えます。
 
二〇〇五年二月
よびかけ人 
井上ひさし  内橋克人  なだいなだ


「憲法九条のこと」井上ひさし

もう二度と戦争はしない、という第九条ができてから、 日本国家が国としてよその国の人を殺したり、 武器をつくってよその国に売ったりはしていません。世界でもこんな国は、まれです。胸を張っていい 戦争や、病気で苦しんでいる世界の人々を助けるために、日本ができることは、武器や兵士を外国に送ることではないはず。 日本は力がある国ですから、その力を世界の人たちの役に立つ方向に使えば、りっぱに生きていけます。たとえば、防衛に使うお金を医学の研究に使ってがんに効く薬を発明するというように、世界の苦しみや悩みを解決するためにお金を使う。 もっている力をそういう方面に向ければ、「あの国は世界にとって大切な国だから、あの国を絶対にこわしてはいけない」 と世界から思われるようになるでしょう。 それをするだけの力と良識が、日本にある、ということを私は信じています。
講談社「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」より

貧困が軍事力を支える」内橋克人

......社会に貧困が絶えず生成していなければ兵力そのものが維持できない。この仕組みを「貧困の装置化」と私は呼んできました。日本もまた徴兵制になる心配がないとはいえないでしょう。雇用の場としての軍隊を維持することで失業問題はある程度解決できる。貧困を輩出する循環を社会の装置として組み込んでおくことで、軍事力も維持できます。安価な労働力を確保できれば、企業の収益力も高く保てる。 今回の憲法改正、財界に反対派はほとんどいません。経団連は真っ先に大歓迎です。原発産業に代わる新たなる軍需産業。絶えずそのような必要から物事が決められてきました。 これで、あんしん社会など可能でしょうか。
「世界」2013年3が都合より抜粋
内橋克人、辰巳芳子対談 「食と命は流れとなって平和のなかに生きる」

「日本は憲法で不戦を誓った」なだいなだ

.....日本は憲法で不戦を誓ったのだ。 だから第九条は、納得の条項だったし、それがアメリカ人の作った原案にあったとしても、戦争で負けたものばかりでなく、勝った方にも、もう戦争のない世界にしたいという気持ちがあったということだ。だから、これは、勝者も敗者も納得した、世界に対する、こうすればいいのだという共同の積極的な提案でもあった。
集英社文庫 池澤夏樹著「憲法なんて知らないよ」解説より

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鎌倉•九条の会

憲法9条は世界の宝!
The World Treasure Article 9

市民のみなさま
「鎌倉・九条の会」は、2005年に鎌倉市在住の井上ひさし、内橋克人、なだいなだ三氏の呼びかけにより発足。「九条を守る」一点で手をつなぎ活動しています。武力行使を永遠に放棄した日本国憲法違反の「安保法案」 に私たちは反対です。8月30日の国会前の集会のように、全国各地で、この法案に反対する市民が立ち上がっています。 鎌倉でも3回の「ピースパレード」が行なわれるなど、多くの市民が声を上げています。私たちは世界の宝である憲法九条を守り、活かすため、これからも市民のみなさまと共に歩んでまいります

 平和都市宣言
(制定昭和33年8月10日)

われわれは、 日本国憲法を貫く平和精神に基いて、核兵器の禁止と世界恒久平和の確立のために、全世界の人々と相協力してその実現を期する。多くの歴史的遺跡と文化的遺産を持つ鎌倉市は、ここに永久に平和都市であることを宣言する。

 鎌倉市民憲章
(制定昭和48年11月3日)

前文
鎌倉は、海と山の美しい自然環境とゆたかな歴史的遺産をもつ古都であり、わたくしたち市民のふるさとです。
すでに平和都市であることを宣言したわたくしたちは、平和を信条とし、世界の国々との友好に努めるとともに、わたくしたちの鎌倉がその風格を保ち、さらに高度の文化都市として発展することを願い、ここに市民憲章を定めます。

本文
一 わたくしたちは、お互いの友愛と連帯意識を深め、すすんで市政に参加し、住民自治を確立します。

一 わたくしたちは、健康でゆたかな市民生活をより向上させるため、教育・文化・福祉の充実に努めます。

一 わたくしたちは、鎌倉の歴史的遺産と自然及び生活環境を破壊から守り、責任をもってこれを後世に伝えます。

一 わたくしたちは、各地域それぞれの特性を生かし、調和と活力のあるまちづくりに努めます。

一 わたくしたちは、鎌倉が世界の鎌倉であることを誇りとし、訪れる人々に良識と善意をもって接します。